肉体派ミリオンダウトブログ

何事も体が資本。

ミリオンダウトが強くなるゴルフ

お久しぶりです。

更新をサボっていたつもりはありませんが、文章を書くという労力が想像以上であり、滞ってしまいました。ブロガーの方々への敬意ポイントが着実に溜まっております。

 

 

さて本題ですが、巷には「やるとミリオンダウトが強くなる」ものが溢れています。ポーカー、将棋、コヨーテ、ペルド、ラーメン食べ歩き、ボルダリングetc… そんなうちの一つである「ゴルフ」に先日初挑戦してきました。(…といってもいわゆる「打ちっぱなし」ですが。)

ミリオンダウト実力者である、おでんのはんぺんさん、あつあつたこやきさんに御指導いただき、1時間程度楽しんできました。

いや〜〜難しい。ボールに当たらないということはほぼ0でしたが、思った通りに打球が飛んでいかないものです。今まで経験したことがある野球やテニスは腰の高さにあるボールを打つことがほとんどですが、ゴルフは地面に置いてあるボールを打つということで勝手が違うのなんの。目とボールの距離が長いということはもちろんですが、スイングのイメージが全くもってピンと来ませんでした。ダウンスイングの感じとかかなりイミフです。もっとイ・ボミたそを見て勉強しないとですね。


イボミ ゴルフスイング集 お手本にしたいゴルフスイング スローモーション

 

そこで、今回はゴルフ真の実力レートアップを目指して考察してみました。

ゴルフの実力といっても様々な評価がありますが、ここでは一つの要素である「飛距離」を取り上げたいと思います。(みんゴルでもビッグエアークラブ使いがち。)

飛距離を伸ばすためには、クラブのヘッドスピードを速くすることが重要です。芝田ら(2002)は「ゴルフスイングは足先を支点とし、ふくらはぎ、大腿、上半身、上腕、下腕の振子が連結している多重振子であると見ることができる。」と述べています。ですので、下半身から始動した動作を効率的に上半身へと伝えることでクラブのヘッドスピードを高めることができると言えるでしょう。

川上ら(2006)はトッププロゴルファー(右利き)のスイング分析を行いました。そこでは「プロのスイングは単に回転運動のみではなく、並進運動と上下運動が組み合わされたもの」と述べられています。スイングということですから回転運動であることはイメージしやすいですが、並進運動と上下運動とはどういったものでしょうか。

まず並進運動ですが、これは重心を水平移動させている運動ととらえることができます。バックスイングで右足に重心を移動させてからインパクトに向けてボールの進行方向へ重心をシフトさせることでヘッドスピードの加速に寄与していると考えられます。さらに、右足への重心をシフトさせることにより右骨盤の後傾ポジションを取りやすくなり、体幹の回旋が増加しバックスイングのトップポジションを高くとることができます。これによりヘッドの位置エネルギーを高める、すなわちスイング移行した際の速度(運動エネルギー)を高めることができます。

上下運動は同様に重心を上下させている運動です。インパクトの直前から左足の筋活動が増加し、重心の鉛直上向きの力が加えられることにより、クラブを回転中心へ近づける力(遠心力)が発生します。遠心力を高めることにより回転している物体の軌道接線方向へのスピード、すなわちヘッドスピードを加速させることができます。股関節伸筋群や膝関節伸筋群などを動員し、「体の左側に壁を作る」というような指導がありますが、体を開かずクラブへ効率よく力を伝えるだけでなく、重心の上下運動によるヘッドスピードの増加にも好影響を与える指導である可能性もあります。

イ・ボミ選手のスイング動画でもインパクトの瞬間に左股関節・左膝関節が伸展しているのがうかがえますね。

このほかにもトッププロのスイングの特徴として、インパクトの瞬間に上肢の筋活動が増加し、上肢の剛性を高めてボールに与える運動量を増加させるといったものがあるようです。うまく力を抜いたところから瞬時に力を込める。ボクシングのパンチに似たようなものがありそうですが、このことについても今後深く勉強していきたいなと思います。

 

やはり野球やテニスなどのスイング動作と同様に、下半身主導で動作を行うことが重要だとわかりました。ダウトボタン押すときも下半身主導を心がけ、親指のヘッドスピード高められるようにしたいです。

大学時代のゴルフ部の知り合いやプロゴルファーの方と接したりすると、ゴルファーの方の繊細な感覚がうかがえます。何ヤード飛ばすかなどは番手とスイングでほぼ体に染みついていているそうな。長い競技歴の中で研ぎ澄まされたのでしょう。何事も「打数は正義」。すべての道はミリオンダウトに通ず、ですね。

 

 

 

参考文献

芝田京子,原川哲美,川口忠雄「ゴルフスイングのダイナミクスと運動制御(第1報)」精密工学会誌(68),397-402,2002

川上泰雄,井出敦夫,野沢むつこ et al「ゴルフスイング中の筋活動およびキネティクス:プロゴルファーの事例研究」スポーツ科学研究(3),18-29,2006

三浦雄一郎,福島秀晃「体幹と肩の運動解釈」関西理学(16),7-12,2016